中華人民共和国における住宅建設の現状および制度に関する調査
砺波 匡
建築研究資料 No.101, 2005, 独立行政法人建築研究所
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<概要> |
本資料は、中華人民共和国(以下、中国と略)の住宅の現状と制度の資料集である。住宅・建築関係のデータを収録しているが、データのみでは意味の把握しにくい点も多いので、必要な解説を付加してある。
著者は、2002年3月から2004年11月まで独立行政法人国際協力機構(JICA)の長期専門家として中国建設部住宅産業化促進中心に日本の国土交通省から派遣され、勤務していた。現地ではデータ探しそのものが困難な面が多かったが、「このような資料があると重宝だが」という思いで、結局自らまとめたものが基礎になっている。自らと言っても研究者や行政機関、産業界からの問い合わせや相談を契機として調べたものも多いため個人的関心の範囲を超え広く役立つものであると考えている。帰国後、整理・追加収集などを行い、本資料としてまとめたものである。
全体は以下の各部で構成されている。
第1部は「中国住宅の基礎情報」…中国の住宅事情や特徴的なトピック
日中の比較、住宅政策の変遷、住宅建設量の推移、居住水準の推移、住宅価格、
今後の課題(高齢化、省エネルギー化)など
第2部は「住宅関係主要統計」…中国の住宅・不動産関連統計
統計年鑑、建設部発表資料、国家統計局発表資料から、人口・世帯、住宅建設(建
設フロー、ストック)、建物種類別・地域別の投資額・価格、住宅関連経済統計など
第3部は「住宅・建築法令体系(暫定稿)」…中国の住宅・建築関係の法令目録
都市住宅制度改革、建築基準等に関する法律・政令・規則の一覧表
第4部は「中国の2005年住宅政策」…中国の住宅政策に関する主要通知・発言
政府の2005年住宅政策に関する全国建設工作会議における建設部長報告など
中国の住宅・建築分野の制度・データなどの資料はまだまだ少ないのが現状である。本資料にしても明らかに不十分ではあるが、今後も改善を図ることとし、本資料が少しでも関係者の方々に役に立てば幸いである。
最後に、本資料の収集・とりまとめに当たってお世話になった中国建設部・住宅産業化促進中心・建築科学研究院、国土交通省、国際協力機構(JICA)の関係者の方々に感謝申し上げたい。
住宅・都市研究グループ
砺波 匡
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