■建築研究資料 |
No.143号(2013(平成25年)3月) |
<概要> |
鉄骨造建築物の接合部ディテールは,部材の断面形状の組合せ,断面の幅,断面のせい,部材の交わる角度,高力ボルトまたは溶接などの接合法によって多種多様となる.また,実際の建築物では,柱に接続する梁のせいが異なる場合や柱梁接合部で部材が直交しない場合など,標準的なディテールが適用できない場合がある.そのような場合,設計者は,個別に接合部ディテールを模索して設計しているのが実状である.このようなやや特殊な接合部ディテールは,応力伝達等が明確でない場合も有り,その構造安全性についても必ずしも十分でない可能性がある. 本資料は,主に,このようなやや特殊な接合部ディテールを対象にしており,そのような接合部ディテールを例示することによって,設計者や鉄骨加工者を支援するとともに,より構造安全性の高い鋼構造建築物が建設されることを目的としている.鋼構造建築物の接合部は,上述のように多種多様なものとなる.そのため,本資料ではそれらを,角形鋼管を用いた柱梁接合部,H形断面柱を用いた柱梁接合部,ブレース接合部,柱脚,その他の接合部,の5つに分類している.それぞれについて,対象となる部位毎に,接合部ディテールを例示するとともに,それらの接合部において問題となる点や設計上の留意事項等についても記している. |
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