■建築研究資料 |
No.171号(2016(平成28)年5月) |
<概要> | ||||||||||||||||
建築物では、吹付け材、保温材、耐火被覆材、断熱材、成形板等の多用なアスベスト含有建材が1970年代から1980年代をピークに用いられてきた。一方で健康被害への影響を考慮してアスベストを含有する製品に対する規制は段階的に引き上げられ、平成18年にはアスベストの重量比が0.1%を超える全てのアスベスト含有製品の製造が禁止された。しかし、現在でも既存建築物に多量のアスベストが残存している。 建築用仕上塗材については、アスベスト含有率は高くないものの、塗膜のひび割れや施工時のダレを防止する目的でアスベストを添加した製品が過去に製造された。この時に使用されたアスベストは主にクリソタイルであり、外壁等に使用され、多くが塗装改修や解体の時期を迎えている。改修や解体等の作業においては、作業者や周辺環境等へのアスベストの飛散防止が不可欠であるが、アスベストの飛散防止の観点からの改修または解体工事における塗材除去の適切な実施方法が不明である。 本研究資料は、国立研究開発法人建築研究所と日本建築仕上材工業会の間で共同研究を行い、アスベスト含有建築用仕上塗材の改修・除去におけるアスベストの飛散性を検証すると共に、日本建築仕上材工業会が設置した委員会で検討したアスベスト飛散防止処理技術を指針としてとりまとめたものである。 | ||||||||||||||||
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