■建築研究報告 |
「特殊不燃構造住宅の構造工法に関する実験研究」 住宅構造実験研究委員会 建築研究報告 No.26, 1958 建設省建築研究所 |
<概要> |
本報告は、建設省住宅局よりの委託による昭和31年度の住宅構造実験結果につき、既に断片的に報告されたものを一括とりまとめたものである。 当研究所では、昭和24年度以来住宅局よりの委託研究費により、不燃住宅構造に関する種々の研究をつづけてきたが、昭和31年度は前年度よりのひきつづき研究として、薄肉ラーメン構造の耐力、帳壁構造、コンクリートブロック造の3つを採り上げた。 薄肉ラーメン構造は鉄筋コンクリート構造簡易化の一手法で、前年度の研究の結果、柱梁の接合部の耐力問題が残っていたのでこれを追求した。帳壁構造については、前年度で各種組立床版や壁体についてかなり広い範囲をカバーする検討を行ったが、本年度はこれ等の中プレファブを主眼とする数種の構法を選び、これ等についての耐火性と、それら壁板の取付方法の研究を行った。特に石綿板を主体とする帳壁板は有力な手法と考えられたので、特にその構法を詳細に検討した。コンクリートブロック造の防水問題はこの種の構造に残された重要な問題であるが、本年度は表面仕上げ目地モルタル等の材料および施工法、目地に発生する亀裂問題等に研究を集中し、その結果全体の結論としてブロック造の防水施工指針を定めた。 以上の研究は所内各部の研究員の協力によるもので、住宅構造実験研究委員会で総合調整をしながら研究を進め、横井主任研究員にそのとりまとめを煩わした。 これ等の研究はいずれも一応のしめくくりをつけてはいるが、なお今後の永い検討を必要とするもので、各方面のご叱正とご助言を得なければならない。最後に研究委託者建設省住宅局に対し厚く謝意を表す。 昭和32年4月 建設省建築研究所長 工学博士 竹山 謙三郎 |