■建築研究報告 |
アッシュ・コンクリートに關する材料學的研究 栗山 寛 建築研究報告 No.7, 昭和25年9月 |
<概要> |
シンダーコンクリートに關する研究第1報(西研究員報告,建設省建築研究所要報51號)に報告された事項を要約すれば
アッシュにセメントのみを混入した時はセメント量が多い程強大であるが,その量には限度がありアッシュ重量の1/6位迄である。石灰を混入する時はセメント量を半減して,消石灰をアッシュの1/6量加へるのが最も有效で,この場合セメント量は1m3に付150〜170kgが適當,この程度のものゝ壓縮強度は材令6週でモルタルは 100kg/cm2,コンクリートは60〜70kg/cm2が限度である。次に現場調合アッシュコンクリートの強度は調合 セメント:石灰:アッシュ=1:4:15(容積比)のものについて
普通モルタル又はコンクリートに比し強度發生は緩慢であるから,養生は重要で,濕潤養生ををする事が必要である。實壁體に近い戸外壁積養生を施したアッシュコンクリートの強度は 調合比 1:1:12 1:2:13 1:3:14の3種について 材今4週で略60kg/cm2を得た。
比較的大きくセメント量の貧な調合で1日浸水略60%,セメント量を揩キと遞減はするが40%位止りである。 アッシュモルタル40〜60%,アッシュコンクリート30〜40%と見てよい。
機械練として混練時間が充分ならば材料投入順序による強度差は殆どないが,更に實驗を行ふ必要がある。 要は手練は絶對に不適當である。
普通コンクリートに於ける場合の如くには行かない。消石灰とアッシュ中の微粒子の影響を考慮に入れた算出法を考へねばならない。 本報告には主としてアッシュコンクリートの材料調合と強度其他の基本物理的性質に付行った次の各項の實驗結果を報告する。
本實驗には當研究所の永田,關口,石神,アッシュコンクリート株式會社の柴田,齋藤,石黒,關東學院生の松岡,山崎の諸君が實驗並に結果整理を擔當或は協力せられた,記してその勞を感謝致し度い。 |