■建築研究資料 |
No.192号(2019(平成31年) 3月) |
<概要> | |||||||||||||||||||||||||||||||
本研究は、高さ3m を超え5m 以下の宅地擁壁を対象に、宅地擁壁の透水層に透水マットに砂利・砕石等を設ける従来工法と砂利・砕石等は使用せず透水マットのみを使用する新工法による試験体を作製し、実大規模での排水性能実験を実施し、両者の排水性能を比較分析することで、安定した透水性能を有する合理的な透水マット仕様に関するデータを収集するとともに、「擁壁用透水マット技術マニュアル」への仕様追加に関する基礎資料を得ることを目的としている。 実験では、宅地擁壁の透水層に、透水マットに砂利・砕石等を設ける現状施工法の試験体(2 体)と透水マットを2 枚重ねる又は厚さを2 倍とした透水マットのみを施工した試験体(4 体)の実大規模での排水性能比較を実施した。降雨強度は、「防災調節池等技術基準(案)」(日本河川協会、2007 年9 月)を参考に単位時間当たりの降雨量を、CASE1(150mm/h)、CASE2(110mm/h)、CASE3(50mm/h)、CASE4(150mm/h を再度実施)、CASE5(110mm/h を再度実施)とした。実験結果から、透水マットのみによる施工方法においても、現状の施工法(透水マット+砂利層)と同等の安定した排水性能を示すデータが得られた。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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